【文学】田山花袋「蒲団」を解説!何がスゴイ?日本の自然主義文学・私小説の正体に迫る

田山 花袋 蒲団

リボンは頭につけるものなので、においはそれほどではありません。 が、結果的に彼女と書生は「霊肉ともに許した恋人」となってしまいます。

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盟友の藤村と独歩が自然主義文学作家として名声を得ていることを受け、焦りと、自分に対する失望のなかで書きあげたといわれています。

『蒲団 [青空文庫]』(田山花袋)の感想(12レビュー)

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美知代が帰郷した年の10月、山陰旅行の途上の花袋が上下町の岡田家に2日滞在して一家から歓待を受けた。 時雄36歳。 遠くにいても判断できますし、「見かけ」(顔と体型)は、他の五感的要素と正の相関関係がある(たとえば、見かけがよいと声も美しくなりがち)ので、見かけで判断してもそれほど誤差はないものです。

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嘆き悲しむ 時雄は、 芳子の面影を偲びたくなって、数日前まで彼女がつかっていた部屋に入ります。

田山花袋「蒲団」を読み解く。人間はそんな変わんない。

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竹中古城と謂えば、美文的小説を書いて、多少世間に聞えておったので、地方から来る崇拝者 渇仰者 ( かつごうしゃ )の手紙はこれまでにも随分多かった。 別れた後そのままにして置いた二階に上った。 時雄はリボンや夜着や蒲団に残る芳子のにおいを嗅ぎますが、それは私たちの遺伝子の欲求からすると自然な行為です。

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あるいは 「不倫願望に悶々とする変態先生の話」となるのでしょうか。 この悲哀は 華 ( はな )やかな青春の悲哀でもなく、単に男女の恋の上の悲哀でもなく、人生の 最奥 ( さいおう )に 秘 ( ひそ )んでいるある大きな悲哀だ。

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時雄は芳子の師として、この恋の証人として一面 月下氷人 ( げっかひょうじん )の役目を余儀なくさせられたのであった。 少女病(1907年)• 処々の常夜燈はそろそろ光を放ち始めた。 一行書いては筆を留めてその事を思う。

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父は、(明治9年)邏卒となり一家で上京するが、(明治10年)の際に従軍して肥後飯田山麓の闘いで戦死したため、館林に戻る。 元からさ程強い酒量でないのに、 無闇 ( むやみ )にぐいぐいと 呷 ( あお )ったので、一時に酔が発したのであろう。

蒲団 (小説)

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けれどこの間の私の無謀で郷里の父母の感情を破っている矢先、どうしてそんなことを申して 遣 ( つか )わされましょう。 2011年に刊行された『新編 日本女性文学全集』第三巻(菁柿堂、2011年)には美知代の2作品(「ある女の手紙」「一銭銅貨」)が収録され、美知代作品に触れ得る機会が増加した。 さらに、「国木田独歩のおのぶさん」「云ひ得ぬ秘密」を執筆して、往時を回想している(生前未発表)。

会ってびっくり、 「ハイカラな新式な美しい」女性でした。 また、永代静雄の研究者である大西小生が、美知代の評伝や著作に関しても実証的な検討を行なっている(『「アリス物語」「黒姫物語」とその周辺』)。

【文学】田山花袋「蒲団」を解説!何がスゴイ?日本の自然主義文学・私小説の正体に迫る

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その侘しさがその身の今の侘しさによく 適 ( かな )っていると時雄は思って、また堪え難い哀愁がその胸に 漲 ( みなぎ )り渡った。 この小説の最後の場面だけ切り取るとそういう感想にもなりかねませんが、これからお話しする恋愛のしくみを知ってもらえたら、それほど違和感のない内容だと納得してもらえるはずです。 後 ( おく )れ勝なる文学上の閲歴、断篇のみを作って 未 ( いま )だに全力の試みをする機会に遭遇せぬ 煩悶 ( はんもん )、青年雑誌から月毎に受ける 罵評 ( ばひょう )の苦痛、 渠 ( かれ )自らはその他日成すあるべきを意識してはいるものの、中心これを苦に病まぬ訳には行かなかった。

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1つめは、明治・大正時代の作品の中で、唯一 恋愛を「嗅覚」で表現した点です。 そういう心理からかの女は失望して、今回のような事を起したのかも知れぬ。

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電車は東京市の交通を一変させた。

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芳子と田中 そして、芳子が関西に帰省中に事件は起こります。

【田山花袋】『蒲団』のあらすじ・内容解説・感想|朗読音声付き|純文学のすゝめ

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紀行文『山水小話』 1917年)• 芳子の恋人は同志社の学生、神戸教会の秀才、田中秀夫、年二十一。

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土手の家(1908年)• 汪然 ( おうぜん )として涙は時雄の 鬚面 ( ひげづら )を伝った。

『蒲団 [青空文庫]』(田山花袋)の感想(12レビュー)

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で、未来の 閨秀 ( けいしゅう )作家は学校から帰って来ると、机に向って文を書くというよりは、 寧 ( むし )ろ多く手紙を書くので、男の友達も随分多い。 そして、時雄と芳子は親交を深めます。 表情が豊かでよく笑う芳子は、旧式な日本人女性の妻とは対照的です。

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時雄は「美文的小説」を書いて生業としていました。 紀行文『』(1914年~1916年)• なお、相馬庸郎は「……花袋は、その存在の多くの部分を鴎外に負っている」と指摘した(「鴎外と自然主義」『国文学』1973年8月)。